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 川崎大空襲から15日で80年。当時14歳だった少年は、繰り返される空襲にならされた自分の感覚に「戦争の怖さ」を感じたという。

 空襲警報が鳴った。

 現在の川崎市川崎区に住んでいた梅津政之輔さん(94)=東京都世田谷区=は当時14歳。父は予備役召集で不在だった。「母と赤ん坊の妹は俺が守る」

 自宅の庭に掘った防空壕(ごう)に入り、3人でしゃがみこんだ。米軍のB29爆撃機が通り過ぎるたび、外の様子をうかがった。「火災からどう避難しようか」と思案した。

 約1カ月前の3月10日にあった東京大空襲の惨状が念頭にあった。真っ赤に染まる東京の夜空を自宅から見た。1週間ほど後、親族を尋ねて東京駅から歩き、隅田川沿いに折り重なる遺体を目にした。着衣に焼けた形跡はない。火災に追われ、川に飛び込んでおぼれたのか。「急に怖くなり、自宅に引き返した。どうやって帰ったのか、全く記憶がない」

横浜大空襲では

 川崎大空襲の夜、自宅は焼け…

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